CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

パワー系配線

大電流(といっても最大1~2A)が流れる経路の配線をAWG18のワイヤで進めてます。狭いところに太い線の引き回しでかなり窮屈。ここにきてケースの深さがギリギリになってきました。基板が干渉することなくうまく収まるか心配です。

 

 

電流検出抵抗は1Ωと10Ωの切替えをします。そのための経路切替えの他、4端子法で電圧を取り出す回路の切替え、パネルメータの小数点切替で計4回路のスイッチが必要です。最初は多回路のロータリスイッチを考えていましたが接点容量が0.3Aしかありません。そこでちょっと珍しいですが4極双投のトグルスイッチM-2042を見つけてきました。端子が12個もあります

 

 

穴あけ完了

パネルの穴開けの苦行が終わると機構部品の取り付けに移れます。作業的に楽だし構想がだんだんと形になっていくわけで実はここが一番楽しい工程だったりします。

先ず放熱器を2個並べて取り付けたところです

ですが、ここにきてまた試練が。放熱器にはトランジスタのタブを固定するネジ穴が1個しかないので、これだけでパネル固定するとクルクル回転してしまいます。追加でもう1個貫通穴をあけて、さらに裏からビスで固定できるようにネジを切ってみます

ということでまた久々に使う工具を投入。工具箱の底からハンドタップを出してきました。これもかなり昔いつ買ったか覚えてないのですが新品同様。それにしてもハンズ大口利用してます

放熱器は3ミリくらいの肉があるので十分M3のタップが切れます。φ2.5の下穴開けて回しては戻す、という感覚はすぐ取り戻せました。回転がスッと軽くなればネジ穴貫通です

フタの裏側には電流制御用のパワートランジスタと電流検出用のメタルクラッド抵抗を配置します。抵抗が配置の関係で放熱器と結合していないですが、ほとんど発熱しないのでいいでしょう。1Ωに1A流しても1Wだし

 

出力にはジョンソン端子を使いますが取付穴に土星型というかコスモ星丸的な形状を要求されます

 

回転止めのためですが加工は簡単でセンターの大穴を開けてから輪っか(赤道)方向に細丸ヤスリで削っていくだけでキレイに仕上がりました

 

ところが仕上がってからミスに気付きました。この回転止め方向は端子の軸に開けられている穴の方向に一致しているので端子の取り扱いとしては鉛直方向にするべきだったかも。

 

ケース加工

毎度嫌いなケース加工の段階に突入。

先ずは図面引きです。2DのメカCADはフリーのものをいくつか試してみたのですがどうもしっくり来るものが無く、KiCADのPCBエディタでやってます。


これを実寸で印刷すればよいのですがこの期に及んでプリンタの調子が悪く、パネルに貼ったマスキングテープの上にケガキ引き直しです。なんという二度手間。

 

さていよいよ穴開けですが、まぁドリルで開く丸孔はいいんです。大変なのはメータとかの大きな丸穴や角穴です。普通はドリルの穴を連側的に開けニッパでつないでヤスリ仕上げですが、ここで専用工具投入、ハンドニブラです

そうとう昔中学生くらいの時に買ったのか、本当に久々の登場。未使用の替え刃とともに出てきました。・・値札が今はなき(ついこないだまであった)東急ハンズ

使ってみるとこれが効果絶大。最初に導入のφ10くらいの穴を開ければ、角穴のケガキ線に沿って文字通りニブル(nibble)・・食いちぎってすすみ角も90度回転させてやればコーナもきれいに出ます。ケガキ線ギリギリを攻めれば最後ヤスリで軽くバリを取るくらいで完成してしまいます。

これは良い工具とあらためて感心です。

ところが今ホーザンのサイトで検索してみるとハンドニブラK-88生産終了ですと!惜しいことです。替え刃の供給はあるみたいですがこの手持ちのものもン十年刃を交換してないし結構持つみたいです

こんなふうに最適な工具でスムーズに作業ができればメカ加工の苦手意識も少しは和らぎます

自作測定器

ここのところ、電源や測定器の修理とかアナログな遊びがつづいてますがこれはこれでおもしろい部分です。メインテーマのCPU関連はメーカの仕様、マニュアルをなぞるだけで何かに役に立つわけではありませんが、測定器、ツールの自作は性能は別にして一応後で利用できます。

このCQ出版の本はとても参考になりました。作りっぱなしではなく性能評価まで触れていてなかなか良書です

もっともデジタル電圧計とかひずみ率計とか複雑なものはそこまでがんばらなくてもメーカ製市販品の方がはるかに性能が高く校正済、且つおそらく自作より低コストで入手できそうなものもありますがまぁそれはそれ。

やはり確度、精度に関しては自作ではどうしようもありません。唯一、時間標準だけはアマチュア的には古くから水晶精度で十分だし今ではGPS同期やRb発振器で一次標準に肉薄できますが電圧/電流標準はいまだに無理のようです。

 

ところでVFD電源評価の時やっつけで作った電子負荷はこの本の記事を元にしていますが、専用基板も作ったのでケースに入れてみることにします。自身で外部に電流を供給する必要はないのでトランスとかは不要ですが選んだ箱(120×120×25mm)はちょっと小さすぎたかも

 

電源ノイズ

そもそもアナログオシロをいじりだしたきっかけになった自作電源のノイズ測定にやっと戻ってきました。

オシロの電圧軸最高感度2mV/DIVで約0.55mVp-p。1:10プローブなので実際は5mVp-p、折り返しrms値でいうと2mVくらいかもしれません。これには測定器自体の残留ノイズも重畳してるので電源ノイズは十分小さいといっていいでしょう

 

こうなるとACミリボルトメータも欲しくなってきます

ネジ位置

ネジの片方、ナットとセットになってる方は実はわかっていて後面パネルの電圧切り替えスイッチ取付けネジの片側です。(赤矢印)

外すときは何とか出来たのですが、中途半端な分解のため組立ての時はどうにも指が入らず裏からナットをはめられないため断念。このスイッチは国内なら触る必要が無いのでこのままでも構いません。

もう一個は座金組込インチネジ#4-40 X 0.312(ミリ換算で約φ2.8×8mm)のようでサービスマニュアルにあるリコメンドパーツリストから探せそうですが、すでに組み込んでしまった電源基板上だったりするとまた分解するのが厄介です。次に分解するときでいいでしょう

これ以外のネジはほとんどが#6-32 X 0.25(ミリ換算約φ3.5×6.4mm)でした。マニュアルはあるしメンテナンスはやり易そうです。さらに各部のトリマ調整、キャリブレーションの方法も記載されてますが、さすがにそれはシロウトはおいそれとはできません

 

一応これで修理完了。修理といっても今回はACケーブルを交換したのと同じようなもんですが・・通電したら今度は煙は出ず、ちゃんと動作しました。

 

 

管面の記録は写真を撮らなければなりませんが、これが結構たいへん。部屋を暗くしてスケールイルミを点灯させてみました。

昔は管面撮影用に黒い四角錐のフードというのがありました。岩通だったかの取説にはボール紙で手作りできるように展開図の絵が載っていたような。

コネクタ接続

使わないからといっても、電源を供給しなかったり、カード自体を抜くと起動時のハード自己診断に引っかかってしまうかもしれません。

ケーブルは2本出ていて固体タンタルの両端につながっているように見えたので電源のプラス/マイナスかと思いましたがテスタでみると両者は導通していてともにオプション基板上ロジックICのVccピンとも導通していました。つまり2本には極性が無く、ともに+5Vを出力するコネクタにつなげば良さそうです

電源基板上でそのような空きコネクタを探してみると・・・ありました。J305です。

 

J305は電源基板上でも確かにケーブルがとどくちょうどいい位置にありました。ここで確定ですね。でもロックもハウジングも無いし、これはうっかりするとすぐ抜けます

 

あとは各ブロックのすべてのコネクタ接続、元通りメカ組立てして修理完了!

 

・・と言いたいところですが、分解・再組立てのあるあるでネジが2本余り~