電子回路にとってノイズはいつも邪魔者扱いですが、時として積極的に発生させたいこともあるわけで、そんな用途のICです
MM5837 Digital Noise Source
中身はLFSR(線形帰還シフトレジスタ)による疑似乱数発生器で最上位ビットのランダムな0/1の状態がビットストリームとして出力されます。これを適当なアナログフィルタに通せば可聴周波数帯でホワイトノイズ様の音源になります
アナログシンセサイザのノイズ音源は普通、トランジスタB-E間のアバランシェ降伏が使われますが、トランジスタ個体によるバラツキが大きいので選別が必要です。prophet5は初期型はトランジスタでしたが後期型はこのICが使われてたかと。
デジタル回路であれば周辺と集積化も容易なので前項のAY-3-8910やSN76489のノイズジェネレータもLFSRによるもので、さらにハードウェアのシフトレジスタをソフトウェア処理に置き換えてPICのようなマイクロコントローラへ実装した例もあります