CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

演算コプロセッサ

74ナンバー(〇しのライセンスではない)なのに標準ロジックではない変な機能のICというのがありますが前から気になっていたSN74S516が某オークションに出品されてました。(外観はここからですが)

 

これは16ビットの乗除算器でかなり昔のトラ技に3次元ベクトル演算ボードとしての応用例が記事になってました。その記事の中でICが「ブルーとシルバーのヒートシンクがなかなかオシャレ」と紹介されてて技術的文書の中に急に主観的な表現が出てきてなごみました。・・実際写真見ると確かにデザイン的に際立って美しいです。(猛烈に発熱するようですが無骨な黒いヒートシンクを乗っけたくない)

中身はレジスタとALUだけなのでスタンドアロン動作させるにはマイクロコードを実行するシーケンサFIFOなど他に大量のTTLやメモリがいるようで周辺合わせてS100バス基板1枚の面積でした。

今どきならマイクロコントローラの汎用I/Oに直接接続してパタパタ叩けばいいんでしょうがそのオーバヘッドと結果待ちを合せたらマイクロコントローラ自身で演算してしまった方がよっぽど速いでしょう

このICはかなり昔、MMIの紙ベースのデータブックでも見たことがあってイラストを多用して表現もくだけててユルさが好きだったのですが探したらありました

 

CPUが得意としない数値演算を請負ってやってくれる、あるいは雑務として押付けられるコプロセッサというのは結構好きで80x87とか68881/2とか触ってみましたが他にもこんなものが手持ちであります

Am9511  Arithmetic Processor:前にも記事書いてZ80ボードでも動作させてみましたがこれもかなり発熱します。4MHz-Z80ボードでは浮動小数点演算性能が十分向上しましたが今どきのCPUと組み合わせたら74S516と同じで逆に足を引っ張ってしまうかもです

 

 

MM57109  Number-Oriented Processor:これはコプロセッサというよりは関数電卓用ICにCPUコンパチバスを付けたようなものです。普通の関数電卓にある一通りのボタン機能は内蔵していますが何しろ計算速度がmsオーダです。ニキシー管とメカニカルなテンキー付けてレトロな関数電卓を作ると面白いかもしれません。ただしこのICはPMOSプロセス、負電圧動作なのでバスとのレベルシフトが面倒っぽいです

 

さて件のICは入札額が1万円を超えてしまって手が出せませんが、世の中には自分含めて変な人いるんだなぁという感じです