蛍光表示管はアノードとグリッドに印加した高電圧でヒータから飛び出た熱電子を加速してアノードを光らせるわけですが、桁丸ごと消灯させるにはグリッド電位を0にして熱電子を阻止します。ところがそれでも勢い余った電子がアノードに到達して弱く発光するのを防ぐため、カソード(=ヒータ)にバイアスをかける使い方が推奨されています。
ノリタケというと高級洋食器のイメージですが、子会社の伊勢電子が蛍光表示管を作っていて古い技術資料に説明がありました
ヒータの中点をEkのバイアスで浮かせることで、グリッド電位がGNDになったときヒータ電位に比べて逆バイアスとなり電子が押し戻されて強力に消去(カットオフ)できるという仕組みです
今回の基板ではEkを3.6Vツェナで生成し、3次巻線の中点をバイアスしています
ここで気づいたのですが、表示に必要な加速電圧ebcはヒータの電位が基準な訳でebcを定格の24Vとすると表示に必要なVdispはVdisp=ebc+Ek=24+3.6=27.6Vになるということです。
いままでDCDCの出力を20Vとか24Vを目指していたのですがちょっと低くかったようです