CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

磁気飽和

この回路でヒータ出力の波形を観察してみました。

 3次巻線(ヒータ出力)定抵抗負荷80Ω 上から2次負荷:無負荷、50mA、100mA(5V/div)

やはり2次負荷が軽いときは3次出力も小さいですが適度な負荷50mA(DUTY=50%)ではきれいな波形になっています。さらに負荷を重くして100mA(DUTY=80%)になるとFETがONからOFFになるときのオーバーシュートが大きくなり制御が難しそうです。

FETをスイッチするPWM波形は20kHz、duty=80%。PIC内部のPWM設定値は推定640前後と考えられます。(2次巻線を減らしたときにPWM設定値のリミッタも10~780とした)

この時点で1次側入力電流は約600mA、変換効率ηは約80%で正常動作していましたが、このあとわずかに負荷電流を上げようと(DUTYを上げようと)したところ突然全ての出力がブレークダウンしてしまいました。1次側の供給電源は1Aのカレントリミッタが動作していて急に大電流が流れたようです。これがいわゆるコアの磁気飽和現象なんでしょうか・・

 

こんな出力の小さいトランスでは飽和なんて考えなくていいと思っていたのですが磁束密度Bの算出式:

  B=Vt/(N*Ae) 

V:印加電圧=5(V)、t:ON時間=40us=40×10^-6(s)、N:1次巻数=25、Ae:コア断面積=0.24cm2=0.24×10^-4(m2)を代入すると

B=0.33(T)=3300(Gauss)となります

一方、Mn/Znフェライト#75材はAmidonのカタログではSaturation Flux Density Bs=4700(Gauss)となっていて余裕はありそうに見えます。

ただしそもそもこのコア材が#75かどうかも定かではないので何とも言えませんが危ない領域ではありそうです。

もっともVFD電源に使うならこんな最大出力を引き出すことはないですけど。