CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

FG分解

 脇道にそれますが不調のファンクションジェネレータFG110をちょっと分解してみました。筐体カバー側面にネジが無く、どうやって開けるのか一瞬悩みましたが、なんのことはない後面部にあるスタンド用の足を外すと筒状のカバーが後方にすっぽり抜けました。昔の奥行きが長いオシロと同じ構造です

 

 中はいたってきれい。奥行の半分弱が電源部です。さすがにこういうノイズを嫌う機器なのでトランスを使ったシリーズ電源です。

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 左上の基板には3端子レギュレータが並んでいてここで±5V、±12V、±15Vの6系統の電源を作っています

つづいてメイン基板を眺めてみます。トラ技の巻頭カラーページにこんなのがあった気が。

メインの制御はTMP68301でこれは68000MPUコアに周辺を集積した東芝の複合IC。自分の好きな8279も使われています。リチウム電池はすっからかんになっていて0V。バックアップされる情報あったかなと思い出してみましたがもしかしたら使ったことがないGPIBのアドレス設定とかを憶えているのかもしれません。

 

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このFG110には同シリーズでFG120という2系統出力のものがあり、拡張コネクタはおそらく制御部は共通でDDSチップと出力系だけ乗ったドータボードをこの上の乗せるために使うのではと思います

基板の下半分を見てみます。大きいQFPは「YOKOGAWA」のマーキングがあるカスタムチップでこれがDDSの本体のようです、8kバイトの高速SRAMが2個外付けになっていて起動時にここにROMから波形データがロードされるのでしょう。その下にあるPLCCがレイセオンの9535HDとなっていてこれが検索でヒットしないのですがついてる場所からいって10~12ビットのD/Aコンバータのようです ※

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基板右下あたりに高速大電流オペアンプがついていて出力アンプの心臓部ですがここら辺がどうも怪しそう。この周辺の波形を探ってみます。高速OPアンプなら1000円くらいで入手して交換もできそうです。とにかく出力アンプが高級オーディオアンプのようにディスクリート構成でなくてよかったです
 

※2023/2追記:レイセオンのPLCCのマーキング「9535HD」はどうもデートコードのようですね。探しても見つからないわけです。その下にある「1012R3C1」のほうが型番でした。たぶんこれでしょう