CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

打切り回数

NS32032の演算速度が遅いことは露呈してしまったのですが、単にマンデルブロ集合を描画するだけであれば計算打ち切りまでのループを減らしてもう少し早く結果を出すことはできます。

今回の256×256メッシュ=65536点でのmandel_chkの返り値のヒストグラムです。右端で突出しているのが打切り最大回数NMAX=8192まで回しても発散しなかった「集合に含まれる」と判断された15045点でこれは目測の1/5くらい、というのと合ってました。

 

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このグラフをみると、それ以外の点はループ1000回以下でだいたい発散してしまっていて打切り回数NMAXはもっと小さくしてよいようです。

 

原点付近を拡大してみるとこのような特徴的な分布になっています。1000回以内に発散してしまう(集合に属さない)点は全体の97%に達するので概形を見るには十分です。7000~8000回ループさせてやっと発散する集合の辺縁部の点も僅かにあるにはありますがそれは切り捨てて集合へ取り込んでも見た目大差ありません

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このグラフが元素分析の特性X線パワースペクトルとそっくりなのですが両者に数理的な関係はないですね

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NMAX=16 とした場合です。(処理時間15分)

その程度のループ回数ではこの領域の点は発散しないので全面が集合に属する=真っ黒になってしまいます

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NMAX=256 (処理時間30分)

概形が出てきましたが周縁が集合に取り込まれてもっさりしてます

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NMAX=512 (処理時間40分)

微細構造が見えてきましたがちょっと輪郭がぼやけてます

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NMAX=1024 (処理時間60分)

輪郭がくっきりしてきてもうNMAX=8192と遜色がありません。

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 当然、観察する位置・分解能によってNMAXの最適値は変わってくるわけで適宜調整になります