CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

PGA実装例

以前に作成した486,68040ボードは手作りの片面感光基板でやったのですが今思うとずいぶん無茶なことしたもんだ、って感じです。でも今もちゃんと完動するわけで、当時のノウハウを思い出し今回29kボードに生かせるように禁断の基板裏面を見返してみました。

まずi486DXボード。17×17グリッドPGA付近のパタン設計はこのような感じです。まず多数ある電源ピンは最優先で結線し可能な限り太いラインで供給されるようにして、ラインで引ききれないところはUEWになります。注目すべきは右下の方、PGAのピンがゴッソリ無く内周のピンからラインを引き出しているところがあります。これはCPUの一次キャッシュ専用バスを使用しないと割り切ってそれらの関連ピンをICソケットの足自体も切断して基板に穴すらあけないようにして配線が通るスペースを確保したものです。 

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これが実際の配線状態です。プルアップするピンを抵抗アレイへ空中配線つなげていたり、写真ではよくわかりませんが電源パタン同士の接続もスズメッキ線を空中に架橋してブスバーのようにしてあり、かなりアクロバチックなことしています。

 

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次の例はMC68040ボード、18×18グリッドです。こちらも徹底して電源ライン優先で引いていてバスラインや制御ピンはほとんど諦めてUEWにする設計です。

 

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実際の配線状態はこれ。UEWだらけです。ラインが結構太く、今見直したらアパーチャー設定が0.5mmになっていました。それでピン間1本通しですからクリアランスはギリギリです。ただ写真のように電源ラインはベタGNDとの間に直近で多数のパスコンを置いていてこれが功を奏したか、いまでも動作は安定しています。

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