CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

MC68040

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第5回 MC68040

モトローラ68Kシリーズの事実上の最高峰か。
その後アーキテクチャを刷新してさらに高速化したMC68060というのもありますが
これはほとんど採用実績も無いまま68Kシリーズは終焉を迎えてしまいます。

このボードはMC68040RC33(クロック32MHz)にフラッシュROM512kB、SRAM512kBを接続した単純な構成で単に高速の68000として動かしているだけで68040の特徴であるバースト転送やマルチプロセッシングはサポートしません。
性能は多倍長π計算のベンチマークの結果が残っていて一万桁で5分43秒かかっています(GCC68K)ちなみに同じプログラムがpentium400MHzのパソコン上では14秒でした(MSC/C++)
68K共通の非同期バスのため外部デバイスをアクセスしたらアクノリッジを返すというのが基本ですがこのあたりのロジック設計が良くないためかメモリアクセスにかなり無駄があるようです。そのためキャッシュの効果が顕著でキャッシュONにすると10倍近く速くなるプログラムもあります。

このボードの製作にあたり、最も苦労して時間がかかったのはロジック設計でもパタン設計でもなく
200本近いピン数のPGAソケットをプリント基板上に手作業で開けた精度の悪い並びの穴に差し込む
ことでした。
(やってみないとわからないが、なかなかピンと穴位置が合わず本当にたいへん)