CPU実験室

誰も見向きもしない古いCPUをいじって動かしてみようというプロジェクトです

メモリIC

今回のMCS51ボードではSRAMに300mil幅DIPの256kbitSRAMを使っています。
実装面積も減らせるし(雰囲気的に敢えて表面実装品は使わない)何よりも手持ちが結構あったような気がして基板設計をしましたが、いざ実装する段になってパーツ箱から出てきたのがこんなのでした。

 

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全て日立製で上からHM62832UH、HM6264A、HM65256Bです

実際、最終的に使ったのはHM62832UHなんですが、これはCPUの一次キャッシュにも使えるような超高速メモリでサフィックスの「-15」はアクセスタイム15nsを示していています。レトロCPUのメモリに使うのはちょっともったいない性能です。

次のHM6264A、実はこれがレール単位で手持ちがあったのですが型名からわかる通り64kbitしか容量がありません。8kバイトまではピンコンパチでそのまま刺せるし、実験で使う分には十分な大きさなんですがちょっと残念。
ちなみにサフィックスが「-15」で62832と同じですがアクセスタイムは1桁違っていてこちらは150nsを示していています。

最後が謎のHM65256B。これも何かのジャンク基板から引き抜いてとっておいたもので10個以上ありました。
プリフィックスの「HM65~」というところからして怪しいですが「256」が付くから256kbitだろうとそのまま刺したのですがこれが全然ダメ。
MCS51ボードに搭載したPAULMON2モニタは自身のワークエリア、スタックエリアは8031の内蔵RAM領域を使用するのでモニタは正常に起動しメモリ操作もできるのですが、HM65256を実装した外部データメモリ領域は書込みデータと読出しデータが一致せずまったく使えませんでした。

これは調べればすぐわかるのですが純粋なSRAMではなくて「疑似SRAM」という奴です。
DRAMは1ビットを1トランジスタで構成できるの高集積化に適しているけど制御が面倒である。そこでメモリセルはDRAMで構成しコントローラを内蔵することでI/FをSRAMに合わせたのが疑似SRAMであるという触れ込みなのですが、ピンコンパチでもそのまま差し替えてもダメなようです

 

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こういうテクノロジは見えない所では使われてるとは思いますが単体部品ではもはや絶滅種でしょうか。使用例が見つかりません。
手持ちの古文書(AD.1990)に記述がありましたがオートリフレッシュを行うためにハード的な考慮が必要そうです。